〜第六話 「時をかける少女」化人創成の間にて〜


【真里野】
 む…?
 お主は、確か葉佩と共におった……。


『雛川先生の居場所を訊く』

【真里野】
 雛川だと?
 拙者は、葉佩に文など送ってはおらぬ。
 それに、そのような者を、何故拙者が斯様な場所に連れてこなければならぬのだ?
 拙者は、正々堂々と葉佩と死合いをするためにここにいる。
 そのような事よりも、何故、お主がここに?

『雛川先生の居場所を訊かない』

 何故、お主がここに?



『事情を話す』

【真里野】
 ……。
 ふッ、そうか……。
 さては、色仕掛けで拙者を懐柔するつもりだな?
 葉佩 九龍――――、女子を使ってくるとは卑怯千万也ッ!!
 男子の風上にも置けぬ輩よ。
 お主に恨みはないが、女子といえど、この《墓》に入り込む者は斬らねばならぬ。
 それが、《生徒会執行委員》たる者の務めだ、許せ……。

『事情を話さない』

【真里野】
 言わずとも拙者にはわかる。
 彼奴に命じられたのであろう?
 女子の色仕掛けで拙者を懐柔しようとするとは、葉佩 九龍め――――、
 男子の風上にも置けぬ輩よ。
 お主に恨みはないが、女子といえど、この《墓》に入り込む者は斬らねばならぬ。
 それが、《生徒会執行委員》たる者の務めだ、許せ……。



『友』

【真里野】
 残念だが、それが《生徒会》の掟だ。

『燃』

【真里野】
 そうか……。ただ斬られる訳にはいかぬというのか?

『喜』

【真里野】
 うッ…、そのような笑顔を向けられたら拙者は……、
 くッ、葉佩め。このような策を女子に強要するとは……。

『愛』

【真里野】
 やッ……止めぬかッ。斯様な瞳で、拙者を見るな。
 くッ、葉佩め。このような策を女子に強要するとは……。

『憂』

【真里野】
 残念だが、それが《生徒会》の掟だ。

『悲』

【真里野】
 そのような顔をするな……。残念だが、それが《生徒会》の掟だ。

『寒』

【真里野】
 すでに拙者の言葉は届かぬか……。

『怒』

【真里野】
 お主では、拙者には勝てぬ。

『無』

【真里野】
 すでに拙者の言葉は届かぬか……。



【真里野】
 死ぬ前に教えてやろう。
 拙者の剣は《原子刀》という――――。
 右目は見えねど、この左目は万物を流れる脈の《緩み》を視る事ができる。
 息吹く山河や流れる風――――、転がっている石や草木にも無数の《緩み》が存在する。
 その《緩み》を断つ事ができれば、この世に斬れぬものなどない。
 つまり、拙者の剣は次元を引き裂いて斬る剣術。
 斬られても痛みなど感じる間もない故、安心するがいい。
 ……。
 では、そろそろ覚悟は良いか?
 お主には、ここで死んで貰う――――。



★真里野戦後――――

【真里野】
 むうッ……。こ、これは……。
 か、身体がッ――――!!       [SE]うおぁぁぁ…!!  ドクン・ドクン  シュー…


★ボス戦後――――

 ===「古い手紙」入手===  〜真里野の大切な思い出が詰まっている手紙〜

【真里野】
 くッ……。
 拙者の……、負けだ…………。