〜第七話 「地獄の才能」午後パート・1F廊下にて〜


【寡黙な声】
 む――――。九龍ではないか。

【真里野】
 丁度いい所で会った。お主に、これを渡そうと思っていたのだ。
 拙者の管理している鍵だ。好きに役立てるといい。

 『武道場の鍵』入手

 これでいつでも道場に入る事ができる。
 お主とて、剣道部の一員。道場で鍛錬に励むのもよいだろう。
 そうだな……、たまには拙者と手合わせでもしてみるか。



『友』

【真里野】
 うむ。放課後ならば、拙者は大概、道場にいる。
 いつでも喜んで相手になろう。

『燃』

【真里野】
 うむ。放課後ならば、拙者は大概、道場にいる。
 いつでも喜んで相手になろう。

『喜』

【真里野】
 うむ。放課後ならば、拙者は大概、道場にいる。
 いつでも喜んで相手になろう。

『愛』

【真里野】
 う、うむ。放課後ならば、拙者は大概、道場にいる。
 いつでも喜んで相手になろう。

『憂』

【真里野】
 そうか……。まあ、無理にとはいわぬ。

『悲』

【真里野】
 そうか……。まあ、無理にとはいわぬ。

『寒』

【真里野】
 そうか……。まあ、無理にとはいわぬ。

『怒』

【真里野】
 そうか……。まあ、無理にとはいわぬ。

『無』

【真里野】
 まあ、無理にとはいわぬ。



【真里野】
 下校の鐘が鳴ってしばし経つ。急いで校舎を出た方がいい。
 今の《執行委員》のやり方は常軌を逸しておるからな。
 ……。
 ひょっとすると、あの白い仮面の男の仕業やもしれぬ……。
 お主と会う前に拙者の前にも現れ、『力を貸す』などと怪しげな事を申していた。
 それに、彼奴はお主の事を邪悪な意思を持つ者だと。
 だがお主は《執行委員》たちに真っ向から勝負を挑み、その魂を開放してきたのではないか?



『友』

【真里野】
 ……やはりな。

『燃』

【真里野】
 ふッ……。お主らしい答えというべきか。
 やはり拙者の目に狂いはなかったという事だな。

『喜』

【真里野】
 ……やはりな。

『愛』

【真里野】
 ふッ……。お主らしい答えというべきか。
 やはり拙者の目に狂いはなかったという事だな。

『憂』

【真里野】
 そうか……。
 だが、拙者の目にはとてもお主が彼奴のいうような者には見えぬのだ。

『悲』

【真里野】
 そうか……。
 だが、拙者の目にはとてもお主が彼奴のいうような者には見えぬのだ。

『寒』

【真里野】
 そうか……。
 だが、拙者の目にはとてもお主が彼奴のいうような者には見えぬのだ。

『怒』

【真里野】
 そうか……。
 だが、拙者の目にはとてもお主が彼奴のいうような者には見えぬのだ。

『無』

【真里野】
 ……。
 だが、拙者の目にはとてもお主が彼奴のいうような者には見えぬのだ。



【真里野】
 今の拙者には、彼奴のいっていた事が偽りであると解る。
 お主とこうして実際に相対してみた今ではな。
 ……。
 とッ、ところで葉佩。お主、七瀬殿とはッ……。
 ……。
 いや、何でもない。今のは忘れてくれ。
 引き留めて済まなかったな。気を付けて帰られよ。
 それでは、御免。


★剣道部以外に所属していた場合

【真里野】
 お主とて、剣道部の一員。道場で鍛錬に励むのもよいだろう。
    …の台詞が
【真里野】
 銃などという無粋な物にばかり頼らず、お主もたまには道場で汗を流してみるといい。
     …になります。