〜第九話 「六番目の小夜子」昼休み自由行動・2−Bにて〜
【真里野】
む、師匠。これはよいところへ来てくれた。
実は、昼食の炊き出しをしていたのだが、肝心の材料が切れてしまってな。
お主、もしも所持していたら、少々わけてはもらえぬだろうか?
我ら日本人の主食である《あれ》を……。
『「白米」を渡す』
【真里野】
おお、これだこれだ。済まんな、師匠。お陰で、飢えずに済んだ。
他者に食料を分け与えること、是即ち命を分け与えることに等しい行為だ。
それほどの好意に応えられるものかどうかはわからぬが、これを受け取ってくれ。
『八咫烏』入手!
【真里野】
本当に助かった。感謝する。
『違う物を渡す』
【真里野】
うむむむむ、師匠、これは……。
……武士たるもの、諦めも肝心――――か。
あッ、いやなに、こちらのことだ。気にするな。
お主のくれたこれはありがたく頂いておくよ。
『渡さない』
【真里野】
そうか……。
もしも《あれ》を手に入れたら、持ってきてはもらえぬだろうか?
それ相応の礼はするつもりだ。 |
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