〜第七話 「地獄の才能」放課後自由行動・武道場にて〜


【真里野】
 師匠、少々お主に訊ねたいことがあるのだが……。
 もしも、お主に何か悩み事が出来たとする。
 その悩みの種が、頭の隅から離れなくなったら――――お主ならどうやって振り払う?



『別のことを考える』

【真里野】
 ふむ……何か別のことを考えて、元々あった悩みを打ち消すということか。
 なるほど、参考になった。感謝致す。


『運動で発散する』

【真里野】
 なるほど……身体を動かして邪な考えを追い出すというわけか……。
 確かに、拙者にはぴったりの方法ではあるが――――。
 あッ、いや、何でもない、忘れてくれ。


『ひたすら悩む』

【真里野】
 むむむ、あえて悩みを振り払わず、真剣に向き合うということか。
 しかし、それは、つまり……。
 ……。
 あッ、いや、何でもない、忘れてくれ。


『何も考えない』

【真里野】
 つまり――――無の境地に達せよということか。今の拙者には程遠いことだ。
 なんと師匠の心の強さよ――――。